「ファイブ」読んだ

一応、普通の人よりはちょっとだけ本とか読むんですよ。
でも感想とかはあんまり書く気にはならんのですよね。
自分も文章チョコチョコ書いてお金もらっているんで
どんな内容の本でもその人なりのご苦労があるかと思うと
不用意な発言はできんなあと、そんな風に思うんですね。
でも昨日一気読みしてしまった「ファイブ」については
少し感想というか思ったことを書いてみたくなりましたです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140808977/qid=1105420388/sr=1-5/ref=sr_1_10_5/249-9808907-6694703

なんでか言うと、オレ的には大変面白うございましたって本だったんだけど
一般的にはどういう読まれ方、というか感想を持たれるのかが気になったからですよ。
この「ファイブ」ってのはアイシンシーホークスというバスケットボールチームと
そこに所属する選手、コーチの物語。ノンフィクションです。
「ほぼ」主人公として描かれるのは佐古賢一という日本を代表する
ポイントガードで、彼が元々所属していたチーム(いすず自動車)が
不況の煽りで解散し、そこから話は始まる。
佐古同様、所属チームが解散したり、リストラされた選手が
アイシンに拾われ、名コーチの指導の元、リーグ制覇をするまでの
感動物語、という内容です。
まあ、あらすじを書いてしまうと「よくあるよくある」って
感じになっちゃうんですけど、バスケ大好きなオレにしてみれば
「あの佐古」とか「あの外山」とか「あの鈴木貴美一コーチ」が
登場する物語なんで、鼻穴ちょい広がり気味に読んでしまったわけです。
佐古なんて北陸高校時代から見ているし、鈴木コーチはハッキリいって
現在、日本最高なコーチなわけで、彼が出している戦術理論書とか雑誌連載記事とか
食い入るように読んだりしているわけですよ。
だから、登場人物に対する情報量が、素の読者に比べて多いぶん、
行間を脳内補完して読んでしまうんですね。
ほら、イチローとかナカタを取り上げた提灯スポーツノンフィクションがあるでしょ。
ああいうのって、文字を読んではいるんだけど、頭の中には完璧イチローの映像とか、
しゃべっている口調とかが映像レベルで浮かんじゃうじゃないですか。
描かれている人物がメジャーであればあるほど、そういうリアルな感じは
醸し出されれるワケで、そういうのって本来「リアルであること」が
プラスに作用するノンフィクションというジャンルでは、
非常に効果的なわけですよ。なんか「伝わる感」が高いっていうか。
ホラ、ブログとかもそうでしょ。知ってる人が書いてるブログって
よくよく考えたらくだらないこと書いてるのに、書いてる人の顔知ってるだけで
なんだか面白さ二割り増し、みたいな。そゆこと。
で、「ファイブ」なんですけど、オレ的には非常に面白かったんだけど
コレって登場人物の顔とか性格とかを見知っている分だけ
より面白く読んでしまったのではないか? と疑問に思ったわけです。
もしかして、バスケとか全然興味がないひとが読んだら
クソみたいな話なのかも……、と。
誰か「バスケなんて知らね」という人で、かつ「つい読んでしまった」という
人がいたら、感想聞かせて欲しいモノです。